一般社団法人 西宮市歯科医師会

小児のお口スッキリ、虫歯予防について(1)
親里 嘉健
Q:今日は「お子様のお口スッキリ、虫歯予防」についてお話を伺います。
一般の歯科と比べて小児歯科はどういう違いがあるんでしょうか?


A:一般の歯科は先生は年齢が幅広く診ていただいているんですね。小児歯科においては子供のための歯科ということで、子供さんが持っておられる歯、それには乳歯、また永久歯もあるんですけども、その永久歯はまだ完成していないというようなところのウ蝕の予防、虫歯の処置、それからもう一つ、歯がはえてきますよということで、歯列の不正、それの予防というようなことを行っています。


Q:先生のやさしさは日ごろお子様と接していらっしゃることからくる訳なんですね。ところで、先生、赤ちゃんの時におっぱいを飲んだ後の口の周りの拭き方などが、後々の歯みがきに影響を及ぼすというのは本当なんでしょうか。

A:そうですよ。これが考えられるのは、まずお母さんのしぐさを見ているんですね。お母さんは、だっこされた赤ちゃんをどうされるかなというと、手でもってお口の周り、ほっぺをくちゅくちゅと触ります。そうすると赤ちゃんはおっぱいどこかなあということで、探されるんですけども、そして、お母さんのおっぱいをお口に含んで飲みます。汗一杯かいて飲んでいますね。そうして飲み終わると、お母さんは嬉しそうにして、ゲプッと出すのを待ってというようなことで、更にお口をきれいにされます。ということで、お口がその場でお口の中もスッキリ、また口許の周りもすっきり、これが後々の歯ブラシ、これにつながると考えています。


Q:なるほど、そこで赤ちゃんは、ああ気持ちいいなあということが刷り込まれる訳なんですね。

A:はい、そうですよ。


Q:人間は生まれて歯が生えてくるのはどれ位たってからなんでしょうか。

A:はい、それは、よだれ、唾液がたくさん出るのが大体生まれて4ヶ月なんですけど、その後、新しい歯が出てきます。そうすると離乳食というような形で2歳半、3歳までかかって乳歯が生えそろうと、こういう長い期間が要りますね。


Q:はい、その経過をお話いただけますか?

A:お口の役割としたら、大きな声でお話をする、また息をする、それから食事をする、というわけなんですけど、歯が生えてくる前はおっぱいを飲んだり、また歯が生え始めて来ると、離乳食が始まったりというような生活の環境、子供さんの生活の環境が変わるわけなんですけども、まず前歯が生まれて6ヶ月くらいに出てきます。そうすると、それにあわせて上顎の歯も出てきますから、前歯で噛み切ったり、それから1歳半ぐらいになりますと奥歯ですりつぶす、乳臼歯、うす歯というのが出てくるわけで、それを積み重ねて、2歳半くらいになると生え揃って、咀嚼、よく味わって食べるという生活が始まるわけなんです。


Q:はい、歯の役割って本当に大切なんですよね。ところで乳歯というのは永久歯と比べて虫歯になり易いんでしょうか。

A:そうですね。また、お口の環境から考えますと虫歯になりやすいと、こう言えます。今、お話しましたように歯も出てくるときは未熟なんで、おっぱいを飲んだり、哺乳瓶を使ったりというようなことがありますから、どうでしょうね。まあ、おっぱいを飲んだり、哺乳瓶で飲んで、お口をスッキリしていただくといいんですが、そのままくわえたまま寝てしまうというような生活環境に陥ってしまいますと、上顎の歯に虫歯ができたりしますし、また乳歯も永久歯、大人の方が持っておられる永久歯に比べて、エナメル質、象牙質その厚さが半分程なんですね。乳歯が小さいこともありますけども、だから、ちょっとでもダメージを受けると大人と違って広い範囲まで虫歯が進んでしまうということになりますね。

Q:はい、色々な原因があるということなんですね。また、お子さんの食べ方にも問題があるということなんですけど、これはどういうことなんでしょうか。

A:そうです。よく噛んで食べるというと、お口の中の汚れまでも少なくなるんですけどね。お母さんが食べて欲しいなあと子供さんに期待したりすると、いやいや食べているこどもさんというのは食が細くなったり、ムラ食いになったりというようなことになるんですよね。そうしますと、お口の中にいつまでも食べものを残したままで含んでいる、その条件が虫歯につながってしまうということになりますね。


Q:はい、ここでお口の中の手入れをしなければならないわけですよね。どのようにすればよろしいのでしょうか?

A:そうですね。これはまあ最初のお話しましたように、おっぱいを飲む時の要領というのも一つの参考にできるんではないかなあと思うんです。それはまず、いきなり歯ブラシでもって子供さんのお口、いくらお母さんでもいきなりしますと子供さんは拒否反応を示して逃げてしまう。いやがるということで、そういうことが日常茶飯事になって、お母さん自身も歯ブラシで困るということになるんですが、ちょっとそこに間を置いていただいて、歯ブラシで唇を触れてみる。ムーンというようなことから口がポカーンと開いたような時に歯ブラシを入れてみる。そして上顎の頬っぺたの側、下の歯はベロさんのある方、内側というようなところを注意されて歯ブラシでゴシゴシ、で、また時には歯茎を磨いていただいてもいいんですよ。

Q:はい、小さなお子さんは自分では十分歯磨きができませんので、お母様が手伝ってあげることが必要だということなんですね。で、歯みがきの仕方や歯ブラシの選び方というのは、先生、かかりつけの歯医者さんにご相談にのっていただくというのが一番よろしいんでしょうか。

A:そうです。今、それぞれお母さん方は自信を持ってされているとは思うんですけども、少しでも不安があれば、その不安を私たち、歯科医に相談していただければいいと思うんですけどね。


Q:はい、最後に一つ教えて下さい。乳歯の時からの歯の手入れが大切だということなんですけど、どんな時に小児歯科に相談すればよいのでしょうか。

A:まず、お母さんが不安になった時と言うのが、一番小児歯科を訪れていただいたらいいと思うんです。と言いますのは、子供さんの成長というものは著しいものがあるんですね。その変化と成長の変化と言うものが私たち小児歯科医は皆さんの子供さんに一人一人について知っておりますから、定期検診というようなものを受けていただけるような条件で小児歯科を訪れていただいたら大変嬉しいです。

  はい、どうもありがとうございました。