一般社団法人 西宮市歯科医師会

小児のお口スッキリ、虫歯予防について(2)
親里 嘉健
Q:先週は乳歯が生えてきた時の手入れの仕方までお話いただきました。この乳歯の時期がとても大切だということなんですね。

A:はい、そうですね。乳歯が生え揃いますと、今まで物をよく噛む練習をしてきたという時期が、今までだったんですけれど、それが生え揃いましたら食べものをよく粉砕する、また同時に唾液がよく出ます。同時にまた、おいしい、おいしいと食欲がそそられ、満足が得られます。味がよくわかる。異物を発見したり、まあ、魚の骨をみたりという取り除くということができます。で、お口をよく使いますから、お口の周りの器官の成長発育も促進し、その形を整えるということになります。それから、お口の中の汚れ、それを自浄作用ということで、取り除くこともできるわけなんです。


Q:その大切な乳歯の時期に小さなお子様はよく指吸いをしますけれども、これは何か影響があるんでしょうか。

A:はい、指吸いはやっていることは簡単なんですけども、その状況をみせていただきますと、顎の変形ということもみられるんです。で、歯並びからみますと、奥歯ではかめていますが、前歯は口が開いたまま、歯と歯の間に隙間が空いたままというようなことになっているわけなんです。


Q:はあ、じゃあ歯並びの悪さにもつながっていくということなんですね。

A:はい、そうです。


Q:これはどうすればよろしいんでしょうか。

A:まあ原因は取り除く、ということになるわけなんですけども、指吸いを止めるというのはなかなか難しいみたいなんですけども、一つ言えることは、子供さん自身納得させるということで、意識を持たせる。「あ、おててが入っているよ。」ということをお母さんがお話しされて、自らその指を取り除くというように向けていただけたらどうでしょうね。


Q:はい、お子さんに意識をさせるということなんですね。この乳歯が生えかわるのはいつ頃なんでしょう。

A:はい、これは6歳位ということで、小学校へあがるかなあという時期なんですけども、第一大臼歯というのが乳歯の中の一番後ろに大きくでてきます。それと同じぐらいに前歯の歯の生え替わりというものが起こります。それから、まあ、小学校の間に順番に前歯から奥歯という風に、乳歯と永久歯の入れ替わりというものが行われています。


Q:この乳歯と永久歯の入れ替わりの時期に気をつけなければいけけないことって何かありますでしょうか。


A:はい、今日のメインであります虫歯予防ということで、虫歯になってしまいますと次に生えかわる永久歯、大人の歯が出てくる場所がなくなりますよ、という危険性が十分にあるわけなんですね。そういうことで、その部分、高橋さん、考えていただいたらどうでしょう。


Q:はい、お口のなかをきれいに保たなければいけないということですよね。この出てきた永久歯を、まあ、できるだけ長く保つためには、やっぱり虫歯にさせない、そのためには手入れが必要だ。


A:はい、そうです。

Q:ということですね。ところで、先生ね、入れ替わる時なんですけども、誰でも経験があると思いますが、乳歯が抜けかかってグラグラしているものを抜く時って、結構、苦痛を伴いますよね。昔は糸を巻きつけて引っ張ってもらったりしましたけれど、現在は皆さん、どんな風になさっているのでしょうか。

A:はい、まあ、昔も今も変わりません。ということになるんですけれどね、それはどういうことかなあというと、歯が生え変わるのは今お話しましたように、生理的なものでありますので、全部が全部次の乳歯を抜かなければならないというのではなくて、子供さん、自分で歯を抜くということも可能なわけです。ところが、小児歯科の立場からしますと、時々、永久歯が出ているのにうまく乳歯の根っこが溶けていないというようなことがありますので、その時には、ちょっと子供さんを納得させて、歯を抜いてみようというようなことになるわけなんですよ。


Q:はあ、なるほど。自然に抜けていくもの、そしてまた残ってしまったものはやはり小児歯科でちゃんと抜いてもらう必要があるということなんですね。先生、よく歯科医院で泣き叫んでいるお子さんを見かけますけれども、なだめる先生とか叱る先生とか様々ですよね。大変だなあと思いますけど、実は私、子供の時、歯医者さんの指を噛んでしまったという苦い経験があるんですけれども、明るく子供を治療に通わせるにはどうすればよろしいんでしょうか。

A:そうですね。まず泣く理由、子供さんが泣くのはどうしてかなあと考えた時、恐れ、不安というものが大きなもんだと思うんです、もちろん、歯が痛いというと泣くんでしょうけども、それからもう一つには甘えというものがありますね。


Q:はい、お母さんに甘えたりということなんでしょうか。それを取り除くにはどうすればよろしいんでしょうか。母親はどのように接すれぱいいのかなあと思うんですけど。

A:まあお母さんが持っておられる不安というものを治療が始まる前に歯科医の方に相談していただいて、うちの子供の、こうなんですよ、というふうに相談をまず始めていただいたら、お母さん自身が自信を持っていただければ、治療もスムーズに進むと考えています。


Q:はあ、なるほど。さっき私も言ってしまいましたけれど、無意識のうちに母親が子供に不安感を与えているということになるわけなんですね。

A:そうですね。


Q:そういう時にやはりお母さんが大丈夫よ、ということで子供に接しなければいけない。治療が終わった後もやはり痛かった?じゃなくって、よく頑張ったね!と言わなければいけないということなんですね。

A:ありがとうございます。その通りです。


Q:はい、先生はちなみにどんな風にお子さんに接してらっしゃるんでしょうか。

A:そういう風なお母さんに連れてきていただいた子供さんには私たちの言葉を素直に受けてくれるということがあります。で、虫歯の治療を始める時に「さあ、これから掃除機ですよ!」ということでバキュームを使ったり、「あ、虫さんを取り除くぞ!」ということでエンジンゴリゴリゴリ、またはタービンピーンとこうやっているのですが、それを納得していただいたら、大きなお口、協力が得られているように考えています。


Q:はあ、何となく楽しい感じが伝わってきました。そうですか、わかりました。じゃあ、最後の質問になりますけれども、乳歯がすべて永久歯に生えかわるのはいつ頃になるんでしょうか。

A:はい、これは、えっと、学童期、小学校の間に歯の交換というのが済みますし、その後に12歳になったら第二大臼歯、18歳になったら第三大臼歯、32本の永久歯、ここになりますと、もう大人ということになりますね。


Q:そこで小児歯科医院は卒業ということになるんでしょうか。


A:そうなんですよ。それで私たちはその小児歯科を通って大人になった人たちに自分で自己管理というものができて、定期検診を自ら受けてくれるという大人になってくれるのではないかなあと、こう考えています。

  ありがとうございました。