一般社団法人 西宮市歯科医師会

口呼吸は万病のもと(2)
平田 幸雄
 前回お話ししたように口呼吸は「百害あって一利なし」で、全身的な疾患をもたらしたり、歯科の領域では虫歯や歯周病になりやすく、口臭を発生させるし、味覚障害も起こします。長期間だと前歯が口唇でおさえられないので、出っ歯になります。漫画のおそ松くんに出てくるシェーのイヤミのように。ご存知ないかなー。(笑)以前の明石家さんまさんのような感じ。

Q:口呼吸をしてしまう人に何か対処法はあるのでしょうか?

A:口呼吸が習慣になっている人にいきなり鼻呼吸をしなさいと言ってもなかなか簡単なことではありません。今、乳児をお持ちのお母さんは、離乳食をあせらず離乳後も恥ずかしがらず、おしゃぶりを与えることです。日本では何かかっこ悪い甘えん坊の印象を与えますが、そんなことはありません。欧米ではこれが当たり前で流行っているのだと言えばいいでしょう。ただし3〜4歳ぐらいまでで、あまり長く続けると逆に虫歯になったり、乳歯の歯並びに悪影響を与えたりします。
 すでに口呼吸の習慣がついてしまった子供や大人の方は、ガムを噛むことをおすすめします。特にあまり噛まない側で噛むようにしてください。人は右利きの人や左利きの人があるように、左右のどちらかばかりで噛む癖があります。一度よく注意して噛んでみるとわかります。あるいは鏡を見て左右の顎の角、俗に言うエラが張っている方が利き側ですから、エラのあまり張っていない方があまり噛まない側です。ガムは砂糖の入っていないキシリトールガムが良いでしょう。また食事の時に1回口に入れたら両方の歯で30回以上よく噛んで咀嚼筋(噛む筋肉)を鍛えてください。噛む力のバランスが良くなります。


Q:単なるくせではなくて、鼻で呼吸できない人もいますが?

A:どうしても鼻呼吸しにくい人、例えば、蓄膿症、アデノイド肥大、アレルギー性鼻炎の方はその疾患を専門医に治療してもらうのが先ですね。またアレルギー性鼻炎やイビキ、無呼吸症候群などは、口呼吸となんらかの因果関係があると思われます。口呼吸のため、寝ている時に開口し、無意識のうちに舌がのどの奥に入って気管を狭くするのでイビキをかきだして、完全に気管を塞ぐと無呼吸症候群になるのではないかと私は個人的には思っています。夜休む時は、低い枕に上向きで濡らした小さめのマスクをして寝ると良いそうです。ただし鼻の穴は出してくださいね。ここが肝心です。(笑)鼻も口もマスクで覆うと苦しいですから。鼻呼吸にするだけで持病や体質が良くなれば本当にいいですね。


Q:舌の上が白くなることってありますが、あれも口臭の原因になるのでしょうか?

A:体調が悪いと舌の表面に菌が異常に増えて、その菌が排泄物を出すので、白くなったり、臭ったりします。最近は舌をそうじするブラシも出ていますから、それを使ってそうじするのもいいでしょう。ただしあまり強くこすると逆に傷ができてしまって、菌が繁殖しやすくなりますから、舌が痛くなるまでこするのはやめてくださいね。


Q:私の知人に歯が丈夫で歯科医院に全く通ったことがないという人がいるのですが、50代になって急に歯が悪くなって何本も歯を抜かなければいけなくなったそうです。やはり自分で歯が丈夫だと思っている人でも定期的に検診を受けることは大切なことなんですね。

A:それは大事なことですね。歯周病というのは自覚症状がほとんどありませんから、自分は歯が丈夫だと思って何もしないでいると知らないうちに進行してしまいます。検診を受けてレントゲンを撮れば、すぐに骨がどれくらい減っているかわかりますので、特に骨がやせている所、弱い所を自分で知って、そこを入念に歯ブラシや糸ようじでそうじすることが大事ですね。


Q:歯周病にかかると口臭の原因にもなるということですね。そして口呼吸をせず、鼻で呼吸することが大切だということですね。

A:最近、口笛の吹けない子が増えているそうです。口がゆるんでいると上手に口をすぼめられないですね。私が子供の頃は口を開けているとよく母に叱られたものです。しつけの面でも口を閉じなさいと昔の人はよく言っていたと思うのですが、最近はあまりうるさく言わないのか、口を開けている子供たちが多いですね。

 若い女性が少し口を開けていると色っぽいとか言われますが、口をずっと開けているのは良くないですから、小さい子供さんにはお母さんがよく注意していただきたいですね。